【ガラパゴスウミイグアナ】 ガラパゴス自然保護基金/Galapagos Conservation Fund Japan
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ガラパゴス最新トピックス

                              - 2008,12,02 -



 ◆最後の1頭・ピンタゾウガメに2世誕生の期待…ガラパゴス

この地球上でたった1頭になったカメの行く末に今、世界が注目している。

南米エクアドル・ガラパゴス諸島に生息していたピンタゾウガメの最後の生き残りとされるオスで、人間なら50歳近い推定80歳前後。1971年、同諸島のピンタ島で発見されたが、以来ずっと、メスには興味を示さず、つけられた名前も「ロンサム・ジョージ」(ひとりぼっちのジョージ)。

しかし、お嫁さんとして送り込まれていたメスが今夏初めて産卵、2世誕生への期待が一気に高まった。

ピンタゾウガメは、11亜種が確認されているガラパゴスゾウガメのひとつだ。ガラパゴスゾウガメは島ごとに甲羅の形などが異なり、チャールズ・ダーウィンが進化論を着想するヒントになった。しかし、ピンタゾウガメは乱獲や外来種の侵入などが原因で、ジョージ発見までは絶滅したと考えられていた。


2世誕生に期待がかかる「ロンサム・ジョージ」(エクアドル・ガラパゴスで)=加藤学撮影
孵化しなかった卵のひとつ。殻には穴が開いていた(ガラパゴス国立公園局提供)



ガラパゴスで増殖活動を続けるチャールズ・ダーウィン研究所では93年以降、近縁種とのペアリングを試してきたが、孤高を保つジョージに皆あきらめ気味。だが、15年たった今夏になぜか、お嫁さんが計16個の卵を産み、孵卵器(ふらんき)で温められてきた。

卵は早ければ11月上旬に孵化(ふか)する予定だった。しかし、うち13個は産卵時よりも軽くなったり、カビが生え穴が開いたりして、無精卵だったことがわかった。カメの生態に詳しい自然環境研究センター研究主幹の千石正一さん(59)によると、

〈1〉交尾に似ているが、受精はしない行動で産卵が誘発された
〈2〉繁殖行動を長い間とっていないために精子そのものに問題がある可能性がある
――という。

残る3個は大きさや重さに今のところ変化がない。ガラパゴス国立公園局は「卵がかえるとすれば年末年始ごろ」としている。上野動物園(東京・台東区)でリクガメの飼育を担当する野口利夫さん(54)は「1年だけでは繁殖能力の有無は判断できない。交尾に興味を示した以上、来年以降もチャンスがあるのでは」と期待する。

ただ、子どもが誕生したとしても、純粋なピンタゾウガメではない。生まれた子どもの交配を繰り返しても、限りなく近い種になるには数世紀以上かかる。千石さんは「近縁種との交配は、やむを得ない最終手段。なぜこういう状況になるまで種の保護活動ができなかったのか考えてほしい」と指摘している。


(読売新聞/野依英治)
[12/02]


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