世界中にすむ約1万種の鳥のうち、約8分の1に当たる1226種の鳥に絶滅の危機が迫っているとする2008年版の絶滅鳥類リスト(レッドリスト)を、国際自然保護連合(IUCN)とバードライフインターナショナルが20日、発表した。
絶滅危惧種の数は07年版より5種増加。07年版に入っていた種のうち、シベリアの東端で繁殖し日本にも飛来するヘラシギや、エクアドルのガラパゴス諸島にすむマネシツグミの一種など8種は、絶滅の危険度が最高の「極めて絶滅の恐れが高い」に上がるなど、計24種の危険度が高くなるよう見直された。
IUCNの専門家は「異常気象や湿地の乾燥化など、地球温暖化が鳥類の生息にとっての差し迫った脅威となってきた」と分析している。
新レッドリストによると、近い将来に「極めて絶滅の恐れが高い」とされたのは190種。07年版に続き、沖縄のノグチゲラが含まれている。これほどではないが「絶滅の恐れが高い」とされた種はタンチョウやヤンバルクイナなど363種。「絶滅の危険が増大している」種などが673種だった。
ヘラシギは、ヘラのようなくちばしが特徴の小型のシギで、夏のシベリアで繁殖。インドや東南アジアの一部で越冬する。減少が続き、推定個体数は数百羽。生息地の破壊のほか、温暖化による湿地の乾燥化なども減少の一因とされている。
ほかにもオーストラリアのムシクイの一種などが干ばつなどの影響で個体数が急激に減少し、絶滅の恐れが高いとされるなど、温暖化が原因とみられる環境悪化が、鳥の生息に大きな影響を及ぼしている例が目立った。
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