ガラパゴス諸島で1080万ドル規模の風力発電施設が始動した。エクアドルのラファエル・コレア大統領は、発見500年を記念して、ガラパゴス諸島のサンクリストバル島を訪問し、ガラパゴス諸島における石油エネルギー依存を、2015年までにゼロにすることを提案した。
ガラパゴス諸島は、13の主要な島と17の小島からなり、人口3万人、観光客は年間12万人である。他地域に見られない多くの動植物が棲息する。
2001年、サンクリストバル島沖でタンカーが座礁し、15万ガロンの石油を流出した。幸い、海流によって、ガラパゴス諸島周辺の海洋生物は、被害から逃れた。この事故がきっかけとなり、カナダ、フランス、ドイツ、イタリア、日本、ロシア、米国、そしてUNDPがエクアドルに協力を申し出、諸外国の電力会社9社がサンクリストバル風力発電プロジェクトに名乗りを上げた。
「800kWの風力タービンで、島(人口6万100人)の動力の50%がまかなえている。」と同プロジェクト・マネージャー、ジム・トーリン氏は記者に語った。あとは、軽油に依存している。
現在、同プロジェクトの半分は米国American Electric Power社が投資しており、エクアドル政府が3200万ドル、のこり100万ほどが、国連の他の機関から拠出されている。
ガラパゴス諸島の97%が世界遺産に登録され守られているが、UNESCOの報告によると、観光、不法移民、漁業、外来種持込みなどが、深刻な危険をもたらしている。エクアドル政府は、2008年の間に、すべての訪問者に写真付き身分証明書を義務づける。
サンクリストバル風力発電プロジェクトは、環境への負荷を最小限にするよう努力が払われている。また美観を損なわないよう、場所を選んでタービンを設置した。
例えば、ガラパゴスシロハラミズナギドリのタービンへの衝突を避けるため、飛行経路を数ヶ月かけて調査した。送電線も3kmの長さを、地中に設置した。昨年10月以来、コウモリや鳥が被害にあった例はないとトーリン氏は語る。
エクアドル政府とUNDPは、人口を有する5島について、いずれは再生可能電力(風力、ディーゼル、太陽光を利用)の開発実用化を目指している。バイオ燃料のジェネレーターを利用した3.2MWの風力太陽光発電施設を、サンタクルス島に建設することが、先週発表された。ただ、バイオ燃料が政府の助成なので、首都キトと同じ価格になってしまうのだけが、今のところ問題である。
ガラパゴス諸島で、自然を守るために、石油依存脱却をめざす先進的なエネルギー・プロジェクトが進行している。
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