世界最大の自然保護団体、国際自然保護連合(IUCN)は12日、絶滅の恐れがある動植物を列挙した2007年版レッドリストを発表した。エクアドルのガラパゴス諸島のサンゴなどを加え、絶滅危惧種は1万6306種と昨年より188種増えた。太平洋赤道域の海面水温が上昇するエルニーニョのような気候変動は世界各地で生態系にも影響を及ぼしているという。
ガラパゴス諸島のサンゴや海草が絶滅危惧種に入ったのは水温上昇に加え、魚介類の乱獲で生態系が崩れた影響もあると指摘。観賞用として人気が高くインドネシアの特定海域でしか採れないアマノガワテンジクダイもリストに加わった。
ゴリラやオランウータンなど大型類人猿は捕獲やエボラ熱による個体数減少、森林開拓による生息環境の悪化にさらされ、哺乳(ほにゅう)類の4分の1が絶滅の危機に直面しているという。昨年の調査で個体が確認できなかったヨウスコウカワイルカもリスト入り。8月には中国の専門家による目撃情報があったものの、なお調査を要するとして、絶滅の可能性が最も大きい「著しく危険」に分類した。
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