世界最大の自然保護機関「国際自然保護連合」(IUCN、本部スイス)は12日、絶滅のおそれがある野生生物をまとめた今年のレッドリストを公表した。サンゴ類が初めて絶滅危惧(きぐ)種になるなど、06年より188種増えて1万6306種。「世界の哺乳類の4分の1、鳥類の8分の1、両生類の3分の1、植物の7割の種が危機に瀕(ひん)している」と訴えている。
新たに絶滅危惧種になったのは、地球温暖化による海水温上昇の影響で減っている南米ガラパゴス諸島のサンゴ3種や海藻類10種。このほか、アジアやアフリカにすむハゲワシ5種が「家畜を襲う動物を殺す毒餌の犠牲になった」ため減少、リストに載った。観賞用に捕獲されるインドネシアの熱帯魚バーンガイカーディナルフィッシュ(テンジクダイの仲間)、メキシコと北米のアカミミガメやガラガラヘビの仲間、中央アジア原産の野生のアンズも追加された。
また、食用の乱獲やエボラ出血熱で急減しているアフリカのニシゴリラ、ダムや護岸工事で生息域が減っている南アジア原産のワニ、インドガビアルなどが絶滅危惧種の中で最も絶滅の危険の高い区分にランクアップされた。
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