【ガラパゴスコバネウ】 ガラパゴス自然保護基金/Galapagos Conservation Fund Japan
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ガラパゴストピックス

                              - 2007,07,05 -



 ◆エクアドル:水温350度の深海に生きる生物たち

 信じられないかもしれないが、光のまったく届かない深海の活火山近辺に住む生物たちがいる。
 30年前、研究者たちは、海底火山近辺から発生する「熱水孔」と呼ばれるものを発見した。ところが、海底2500mもの深さで光合成はまったくできない場所であるにも関わらず、そこで生きている生物も同時に発見されたのである。これによって「生物」の概念自体も変わったといわれた。 (C) NASA
熱水孔 /(C) NASA


 エクアドル西海岸から1000km離れたガラパゴス諸島は、非常に活発な活火山である。1977年、潜水艇アルビン号は、ガラパゴスから350km離れた地点において白い二枚貝の足跡を追い、地表が割れて摂氏350度もの熱水が噴出している場所に到達したのである。たいていの金属を溶かしてしまうほど高温でありながら、その熱水は深海の高圧の作用によって沸騰状態には到っていなかった。

 その後の調査で、棲管虫(チューブウォーム)やエビなどの生き物が熱水孔の近くに住んでいることがわかった。実は、これらの生物は、化学合成を行うバクテリアの存在によって生かされている。このバクテリアは、孔から噴き出す硫化水素を酸化し、食物連鎖の上位の生物に栄養を提供している。

 科学者の中には、こうした深海生物は地球上最初の生命ではないかとの説を唱える者もいる。今日では、熱水孔が約100地点で発見され、見つかった生物も550種に上る。

 生物学的立場から最近懸念されているのは、この深海活火山を鉱脈として見る動きが出てきていることだ。少なくとも2つの鉱業会社が、金・銅などの鉱物資源採掘のために、ミネラルを放出している熱水孔の場所の地図を作ろうとしている。

 しかし、採掘によって海底の沈殿物が掘り起こされ、付近の生態系に悪影響を与えるのではないかとの心配がある。デューク大学海洋研究所のシンディ・バン・ドーバー所長は、採掘は2009年にも開始されるかもしれないと指摘し、採掘の適切なガイドラインを作るために科学者は一歩先に行動する必要があると話した。


(C) ガラパゴス諸島 IPS=スティーブン・リーヒ

[07/05] 


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