世界各地に生息する鳥約1万種のうち、絶滅の恐れがある種が1221種にも上るとの調査結果を、国際的な鳥類保護団体バードライフ・インターナショナル(本部・英国)が6日までにまとめた。将来的に絶滅危惧種となり得る種(準絶滅種)とされた812種を加えると、全体の22%、5種に1種以上の鳥が、厳しい状況に置かれていることになる。
バードライフによると、絶滅危惧種とされた鳥は昨年に比べて11種増加し、本格的な調査を始めた1988年以降、生息状況の悪化が続いているという。
日本では、沖縄のノグチゲラ(推定個体数150―580羽)、ヤンバルクイナ(同千数百羽)、北海道のシマフクロウ(同250―1000羽)など83種が危惧種または準絶滅種とされた。
特に深刻なのは、生息地が一部の島に限られる鳥。猛毒のハブを駆除する目的で持ち込まれたマングースに襲われ激減している沖縄のヤンバルクイナのように、移入種の影響を受けるケースが多い。日本で既に絶滅したとされたオガサワラカラスバトなど小笠原諸島の3種と沖縄のリュウキュウカラスバトの計4種もこれに当たる。
移入種のほか、開発による生息地の破壊や減少、環境破壊による餌不足なども鳥類の個体数減少の原因となっている。
海鳥は、漁業による混獲の影響で個体数が減少した種が目立つ。南米・エクアドルのガラパゴスアホウドリも最近の調査で個体数が急減していることが判明し「極めて絶滅の恐れが高い種」に分類された。
また、大型の猛禽類の減少も顕著だった。
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