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 何百万年もの孤立によって、ガラパゴスの植物は、大陸の近縁関係がある植物との違いを見せるようになった。
 現在のところ、最大で575種の原生植物がガラパゴスで発見されている。なお、人間が初めてガラパゴス諸島を訪れてから今までに、約600種の諸島以外の植物が持ち込まれている。


雨季の季節だけ葉をつけるパルサントの林

ノボタン科の一種で固有種のミコニア

大木に生長するスカレシア原生林
Scalesia(Lechoso) (英名)
Scalesia pedunculata
(学名)

菊科植物スカレシアの花

■ 沿岸植物
 海水の影響をもろに受ける環境では、塩分対策が生理的に可能な特別な植物だけが、生存を許されているようだ。その中でも、マングローブが諸島で最も目立っている。この特殊な生理機能を持つマングローブは、諸島全体で4種が確認されている。
 またマングローブはたくさんの動物に利用されている。この林に巣を構える鳥は、ペリカン、グンカンドリ、サギの仲間がいる。さらにウミイグアナやアシカは、マングローブの林の日陰で、気持ち良さそうに泳いでいる。


潮間帯で生きるレッドマングローブ

マングローブは多くの生物に生活の場を提供している


1cm位の堅い実をつける、ホワイトマングローブ
 <マングローブ・リスト>
 
・レッドマングローブ (細長い実をつける)
Red mangrove (英名)  Rhizophora mangle (学名)
 ・ホワイトマングローブ (白っぽい葉が特徴)
Whaite mangrove   Laguncularia racemosa
 ブラックマングローブ (20mを越える巨木になる)
Black mangrove  Avicennia germinans
 ・ボタンマングローブ (薄くて最も小さい葉をつける)
Button mangrove  Conocarpus erectus

■ サボテン
 
諸島でひときは目立つサボテン。諸島の乾燥した気候を象徴するかのようなシンボル的な存在である。
 3つの属に分類され全てがガラパゴスで分化を遂げ、この地以外では見られない固有種となっている。サボテンの幹はたくさんの水を溜め込むことが出来る。雨が降った時に水を貯蔵して、乾季に備えるのだ。体全体に棘が見られるが、ほとんどのサボテンがそうであるように、棘はもともとは退化した葉が進化したものであるといわれる。


 ガラパゴスハシラサボテン

 Candelabra Cactus (英名)
 Jasminocereus thouarsii (学名)


 電信柱のような形をして7mもの高さに成長する。このヤスミノセレウス属のサボテンは諸島の6つの島に分布する。
 
 直径2〜6cmほどの、緑もしくは赤い花を咲かせる。開花は夕暮れどきから朝までの暗がりで起こり、主にガによって受粉が行われているようだ。


 実は食べられる。分布は大きな島に限られ、山があるような地形が生きる上で必要条件になっているようだ。


 ヨウガンサボテン

 Lave Cactus(英名)
 Brachycereus nesioticus(学名)


 ヨウガンサボテンは1種のみで、背丈の低い指状の形をしている。新しく出来た溶岩台地によく見られる。

 発芽したての頃は、たくさんの黄色い棘で覆われているが、大きくなると棘はグレーや黒に変化していく。ハシラサボテンと同様、夜にクリーム色の花を咲かせ、翌朝の7〜8時にはしぼんでしまう。寿命はわずか数年という。


樹上に進化をとげた種類

 ガラパゴスウチワサボテン

 Prickly Pear Cactus (英名)
 Opuntia spp. (学名)


 ウチワサボテンの形は大きく分けて2つのタイプがある。12mもの大木に育つようなタイプと、地面をはうように育つタイプである。このような進化による違いは、島に棲息するゾウガメやリクイグアナが大きく影響しているようだ。

 ウチワサボテンは、ゾウガメやリクイグアナの大切な食料となっている。そして生存競争の結果、ウチワサボテンは樹上に進化し、ゾウガメなどが首を伸ばしても届かないほど高く成長するようになった。

 ところがゾウガメやリクイグアナのいない島では、地上をはうようにして生きているのだ。ゾウガメなどの捕食者の圧力に、進化の選択は木のような形態へと向かわせたのかもしれない。

地上をはって成長する種類

棘びっしりで出芽する

花は鳥たちのエサとなる
 また鳥との面白い連帯関係も知られている。木にならないウチワサボテンには、固い棘がなくなっているものがある。この種は北側の島に分布し、島には本来、受粉を手助け出来る昆虫がいない。昆虫の代わりにその手助けをしているのが、ハトの仲間である。固い棘がないのは、ハトの受粉活動を助けるために起こった形態の進化と考えられるだろう。

 幸いなことに、2種のフィンチもサボテンと密接な関係を結んでいる。フィンチはサボテンからエサと水をもらい、その代わりにサボテンの種子を遠くへ運んで、繁殖の手助けをしている。

■ 帰化植物
 
すでに発見されているだけでも600種以上もの新しい植物が、大陸から人間と一緒に渡ってきた。特に、1980年代からの急激な人口の増加にともない、一気に300種以上も数が増えている。
  ガラパゴスに連れて来られ、生態系に多大なダメージを与えている動物達を例に挙げるまでもなく、植物も同様な結果を招く恐れがある。


 エレファントグラス

 Elephant Grass 〔英名〕
 Pennisetum purpureum
〔学名〕


 牧草として植えられたエレファントグラスは、旺盛な繁殖力のために、著しく勢力を拡大している。

 サンタ・クルス島では牧草地からはみだして、原生林であるスカレシアの森に侵入している。強い光と雨を好むため、特に山沿いを走る道路脇の排水路に目立つ。道路を経由して、勢力を広げているように見える。


サン・クリストバル島でのブラックベリーによる被害は深刻だ
Black Berry (英名)
Rubus niveus
(学名)

庭木として入ってきたアフリカ産の
ユーフォルビア・ラクテア

建築材に使う目的で持ち込まれた
シガーボックス・シーダー

Cigar-box Cedar (英名)
Cedrela odorata
(学名)

パッションフラワーのつるは森を覆い、日光を遮断して
原生林を殺してしまう

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