◆ ハ虫類館 ◆
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 「諸島はまるでハ虫類の天国のようだ」 
 チャールズ・ダーウィンはガラパゴスを訪れた1835年の出来事を、こう回想する。ガラパゴスでは、何といってもハ虫類が際立っているが、ほとんどの大陸では哺乳類が食物連鎖の頂点を極め、野生を支配している。それから比べれば、ガラパゴスでは圧倒的にハ虫類が主役なのだ。
 ひょっとすると、ガラパゴスはいまだに太古の恐竜時代なのかもしれない。


新緑が大好物

夜は密生した植物の中に分け入って
穴を作り休む

 ガラパゴスゾウガメ
 
 Giant Tortoise (英名)

Geochelone elephantopus (学名)


 世界最大の陸ガメである。大航海時代、諸島に初めてスペイン人が上陸した頃、ゾウガメは島々で簡単に見つかった。そのため諸島はスペイン語で「イスラル・ガラパゴス」、つまり「陸ガメの島」と呼ばれるようになった。Galapago は、スペイン語で陸ガメを意味する。

 しかし島を訪れる海賊やクジラ捕り、オットセイ狩りの漁師達が、長い航海の大切なタンパク源として、何万頭ものゾウガメを捕獲。その結果19世紀の終わりまでに、フロレアナ島には1頭もいなくなった。

 近年の保護活動にも関わらず、外来動物によってエサ植物が減ったり、卵が被害に遭うなどで窮地に追い込まれている。


 全長: 100〜150cm
 体重: 最大で270kg
 棲息数: 約15,000

長い首は、高いところにあるエサも
獲得できるように進化した

メスを押さえつけ、強引に交尾に
入ろうとするオス


 ガラパゴスリクイグアナ

Galapagos Land Iguana (英名)
Conolophus subcristatus
 (学名)



 オスはメスよりも大きく、明るい色合いをしている。オスは1頭ずつテリトリーを持っていて領有権をめぐり、激しい争いが起こることもある。

 リクイグアナは口に入りそうなものなら何でも食べる。昆虫・カニ・植物の新芽や花・ウチワサボテンなど。特にウチワサボテンを食べる時は、茎と一緒にトゲまで飲み込み、トゲは未消化のままで排泄される。

 島によって繁殖時期は異なるが、メスは1回の産卵で、2〜25個の卵を産む。

 全長: 100〜120cm
 体重: 6〜13kg
 
棲息数: 5,000〜10,000

人を恐れず、同じ場所で何時間も
じっとしている
ガラパゴスリクイグアナ棲息マップ


メスの群れ




 ウミイグアナ

 Marin Iguana (英名)
Amblyrhynchus cristatus
 (学名)



 繁殖期でない限り非常におとなしく、オス同士のケンカも希である。また潜水の達人であり、1時間以上の水中滞在が可能である。

 主食は海藻で、1年中豊富に供給されている。通年、コロニー(集団営巣)で生活する。ウミイグアナにとっての最大の脅威は、エルニーニョ現象である。異常気象は海を暖め、海藻を減らしてしまう。

 繁殖期になると、オスの体は鮮やかな色に変化し、まだらな赤・オレンジ・緑色が目立つようになる。巣穴はメスによって、海岸近くの砂地に作られる。白いなめし皮のような、弾力のある卵を2〜4個産む。

 全長: 75cm (ヘノベサ島)、          130cm (イザベラ島北部)
 体重: 不明
 棲息数: 数万

海藻を岩からかじり取っている

3〜4ヶ月で孵化する


 サンタフェリクイグアナ

Santa Fe Land Iguana (英名)

Conolophus pallidus
(学名)


 
この種はサンタ・フェ島にしかいない。ガラパゴスリクイグアナと異なる点は、背中の中心を頭から尻尾まで走る棘上の突起が、大きくはっきりしていることである。

 主にウチワサボテンを好んで食べる。最近までは野生化したヤギが、食料の植物を競って争っていた。ヤギは人間によって島に持ち込まれ、3万頭までに増え、リクイグアナを絶滅の瀬戸際まで追いやった。

 その後国立公園のスタッフにより、ヤギは1頭残らずサンタ・フェ島から駆除され、リクイグアナは保護されることになった。

 全長: 100〜120cm
 体重: 6〜13kg
 棲息数: 不明

絶滅が心配され、ダーウィン研究所で
人工孵化が試されている

マネシツグミが、イグアナの皮膚に寄生している
虫を食べてやっている
サンタフェリクイグアナ棲息マップ

 NEW!!
 
オスのウミイグアナとメスのリクイグアナとの交雑種ハイブリッド


幹に登りウチワサボテンの実を食べるハイブリッドイグアナ

左がハイブリッド、右がリクイグアナ



エスパニョラ島のオス

サンタ・クルス島にて

 ヨウガントカゲ

  Lava Lizard (英名)
 Tropidurus spp. (学名)


 ダーウィン島・ウォルフ島・ヘノベサ島の三島を除いた、ほとんど全ての島々に分布する。全部で7種いて、同じ島に2種いることはない。

 体の色は、黒い溶岩地帯に棲む種類は暗い黒、白い砂地のものは明るい色をしている。他のトカゲ同様、体色を変えることができ、繁殖期は特に激しく変化する。

 主な食料源は昆虫。だが食料の乏しい乾燥地帯では、植物の花も食べる。

 全長: 15〜30cm (オス)
       12〜18cm (メス)
 体重: 不明
 棲息数: 不明

フェルナンディナ島のオス

エスパニョラ島のメス


 ガラパゴスヤモリ

  Galapagos Gecko ,
  Galapagos Leaf-toed Gecko (英名)
 Phyllodactylus spp. (学名)


 ガラパゴス固有種で夜に徘徊し、小さな昆虫を主食とする。足の裏に無数の小さな吸盤がついているので、垂直に立つものでも登ることが出来る。日中は、石の裏や岩陰に隠れてじっとしている。

 1回に産み卵は1個。産卵場所は石の下が一般的だが、樹の中も利用しているようだ。
 
 全長: 8〜13cm
 体重: 不明
 棲息数: 多数

敵に襲われたときなどは、尻尾を切り離して逃げていく


砂浜に残されたメスの移動跡

生殖は浅瀬で行われ、何時間でも交尾を続ける

 ガラパゴスアオウミガメ

Galapagos Green Turtle (英名)
Chelonia mydas agassisi
(学名)



 ガラパゴスにいるウミガメの中で、1年中見られ棲息数が多い。またガラパゴスが世界最大級の繁殖地の1つとして数えられている。

 オスはメスよりも体が一回り小さいが、太くて長い尾を持つ。さらにオスのヒレには、鈎針状の爪があり、生殖の時にメスの背中におんぶする格好で、ヒレの爪を使ってメスを押さえ込む。

 生殖が盛んになるのは、通常11〜1月の間。その後メスは産卵に入り、2月にピークを迎え、諸島の砂浜でごく普通に見られる。

 甲長: 100120cm
 体重: 50〜150kg
     最大で300kg
 棲息数: 10,000以上

マングローブ林で休憩をとるらしい


 ガラパゴスヘビ

 Galapagos Snake (英名)
 Philoilodryas sp.,
 Antillophis spp.,
 Alsophis sp.  (学名)

3種全てを総称してガラパゴスヘビと呼ぶ


 諸島北端のダーウィン島からへノベサ島までの5つの島にはヘビがいない。

 体色は全体的に茶色で、背中に黄色の線または点などの模様がある。

 ガラパゴスヘビは毒を持たず、獲物を体で巻きつけて、絞め殺して捕まえる。おもにバッタ・ヨウガントカゲなどを食べる。


 全長: 40〜125cm
 体重: 不明
 棲息数: 不明


ヘビの唯一の敵は、ガラパゴスノスリ

1種1属、エスパニョラ島固有のエスパニョラヘビ

現在、4種と2亜種に分類されている

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