エレファント島

〜急速に進む地球温暖化〜



 ◆関連情報は、藤原幸一著
 「南極がこわれる」(ポプラ社)



南極大陸から切り離され、漂い続ける氷山。
ピョンと飛び乗った氷山は、ヒゲペンギンにとって格好の休憩場所


ヒゲペンギンはまさしく名前のように、
黒いすじ状の羽毛が「あごひげ」になっている


急上昇している南極の気温。
地球全体でみても、
南極は数倍のスピードで暖かくなっているのだ。
ふだんあまり目立たなかった植物も
異常に増えだした




南極半島の先端から北北東へ200キロ。
ゾウアザラシが暮らす島として名づけられたエレファント島が見えてくる。
英国探検家アーネスト・シャクルトンゆかりの地。
1916年、南極大陸横断を企てたシャクルトン隊は遭難し、最後にエレファント島で救助された。


僕が訪れた南極の夏。
島の周りには氷山がたくさん漂っていた。
氷の上でヒゲペンギンたちが、短い夏の日差しを全身に受けて、気持ち良さそうに休んでいた。
「ヒゲペンギン」とは、よく言ったり。
あご髭付きの端正な顔だちから、ちょっと古い人なら
「いよ! 斬られ与三郎」
とか、最近なら
「デルピエロ、命〜!」
の叫びが、イタリア貴公子を思い浮かべる恋多き女性から聞こえてきそう。
体長は75センチぐらい。
南極でみられるペンギンのなかでも、もっとも活発で喧嘩っぱやい。
敵が多少大きくても、飛びかかっていく。
エレファント島の南にある南極半島では近年、巨大な氷山が次々と生まれている。
気温が上昇しているのだ。
大陸沿岸の棚氷が、ある日突然崩壊して、氷山ができていく。
英国南極観測局によると、南極半島の気温は、1940年代から現在までに2.5〜3.0度上昇したという。
上昇幅は地球全体の平均の数倍に達する。
そして夏、気温が0度を超え氷が解けだす日数は、地所によってこの20年間で12日から20日にも増えたのだ。


温暖化で
「ペンギンに新たな病気が広まるかも」
と、研究者が心配しだしている。
営巣地周辺の植物は増え始め、さらに、船や基地を通じて持ち込まれた病原菌がペンギンに感染し、南極に根づこうとしている。



エレファント島周辺にも、
たくさんの氷山が漂い始めた。
地球温暖化で南極の棚氷が解け、
氷山が次々と生まれてきている


 温暖化が激しく、永久凍土が融け始めている。
 その上で営巣するペンギンたちは悲惨な状況。深い亀裂が巣の周りに、毎日のように生まれる。崖っぷちで子育てしているようなものです。

 上から転がってきた石で、ヒナが 崖から落ち、死んでいるのを朝、発見した。氷点下1.5度、そこの営巣地に いるヒナすべてを、隣の営巣地へ移送。里親にヒナも運命を預けた。

藤原幸一

永久凍土の陥没が始まり、営巣地が崩壊寸前


忍び寄る亀裂の縁での子育て


表土が崩落し、傾いたままの巣で子育てを
続けるペンギンたち



崖下に転げ落ちたヒナ2羽


凍土が崩れ、がけ下に転落して
死んだヒナ


氷河融け水 氷河にはたくさんの縦筋が
入っている
滝が吹き出ている

ナンキョクアジサシ飛翔

流氷上を30羽が大行進

氷河を滑降中の2羽

アデリーペンギンの親子
寄り添うアデリーペンギンのヒナ

クレイシを発見!

ペンギンを食べるオオフルマカモメのつがい

巣へと急ぐ親ペンギンたち


{YouTube] 南極温暖化で滝出現!

南極温暖化で滝出現!


[YouTube] 永久凍土崩壊

永久凍土崩壊





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