〜人間とヒヒとの生存競争〜

アフリカ南端の大都市ケープタウンの南。

その駐車場で走り回る動物がいた。

ニホンザルよりもかなり大きいチャクマヒヒ
(チャクマ・バブーン)だ。
突然、群れの一頭が少年を襲い始めた。

すばやく背後から肩に飛び乗り、食べ物を無理やり奪い取って逃げ去ったのだ。

チャクマヒヒがこのような行動をするようになったのは、町の激変に理由があるようだ。
ケープ地方にかつて存在した森には、
何万頭というチャクマヒヒが暮らして
いたという。
しかし、都市化の波が押し寄せ、町が急激に
変貌している。

地方からたくさんの人が大都市に流れ込み、
都市周辺に残っていたわずかな森さえ住宅地
に変わってしまった。
大自然がそのまま残っている印象の強い
アフリカでも、人間との共存を余儀なくされ、
管理されることによってのみ生存が確保
されているにすぎない野生がある。


藤原幸一


[YouTube] チャクマヒヒ

チャクマヒヒ




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