森が泣いている
少年写真新聞社
 写真と文 藤原幸一

表紙
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過去に伐採や植林などがまったく行われていない太古の森のことを、原生林や古代林、極相林とよんでいます。

 地球にのこされた主な原生林には、ロシアや北アメリカの北部にある広大な針葉樹林(タイガ)があります。

 さらに、温帯雨林や熱帯雨林も原生の森です。とくに熱帯雨林は、つる植物やシダ植物がおいしげって、密林になりジャングルとよばれています。

南米アマゾンや東南アジア、中部アフリカ、ボルネオ、ニューギニアなどで見られ、たくさんの種類の植物や動物がつながりを持って、いっしょにくらしています。


原生林の中でも、古い森ほど木の種類や生きもの
たちのむすびつきが複雑です。
さまざまな生きものたちが、古い原生林のおく深くに、息づいているのです。


 ボルネオ島は東南アジアの島で、インドネシア、マレーシア、ブルネイの3 か国の領土となっています。世界で3 番目に大きな島です。

 島でくらすボルネオゾウが、いま危機をむかえています
ゾウがくらす原生林が次つぎに切られ、燃やされ、ひとつづきだった森が、とぎれとぎれの小さな森になってしまったのです。

 小さな森では食べものが足りず、ゾウはうえてしまいます。食べものをもとめるゾウが、人のつくった野菜やくだものを食べたりふみつぶしたりすると人はゾウをにくみ、わなをかけたりして殺そうとします。その結果 、何百頭ものソウが毎年殺されてしまうのです。

 わずか40年ほど前には、地球上でもっとも手つかずの森があったマレーシア領ボルネオでは、原生林の80%以上がなくなってしまいました。
川岸まで原生林が破壊され、アブラヤシの畑にかえられて
います。

 その畑のまわりには、電気のさくがはりめぐらされているため、ゾウは畑に近づくことができません。
そこでゾウたちは、対岸にある森の草や木の実を食べるために、川を泳いでわたらなくてはならなくなったのです。生まれたばかりの赤ちゃんや子ゾウにとっては、命がけの川わたりです。

2015 年、森林破は 壊かいの多い国の順番でミャンマーは3位となっていると、国際連合食糧農業機関が発表しました。

かつて、国土のほとんどが原生の森でおおわれていたミャンマーは、今や国土の25%しか森がのこっていないのです。
  

 南米のチリから西へ3800kmの太平洋上に、イースター島があります。

 昔、西のかなたポリネシアの島から、カヌーで最初の人がイースター島にわたってきました。そのころは、巨大ヤシがおいしげる原生林の島であったと考えられています。

 900年代には、モアイとよばれる巨大な石像がつくられるようになりました。その後1600年代までの間、モアイはつくられつづけていたのです。

モアイを運び、たてるためには大量の木材が必要でした。
そのために島にあった木がほとんど切られ、森がうしなわれたといわれています。
 

長いくちばしを持つヤリハシハチドリは、同じくらい長い花をつけるベニバナチョウセンアザガオと共進化の関係です。

しかし、もしハチドリがくらす森がこわされ、絶滅し
てしまったら、ベニバナチョウセンアサガオもいっしょに絶滅してしまうでしょう。



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