えんとつと北極のシロクマ
少年写真新聞社
 写真と文 藤原幸一

表紙 裏表紙
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お日さまがのぼらない、
まっくらな日が100日以上もつづいた北極の冬。
お日さまがようやく地平線から、顔をだしました。
春のおとずれを、つげています。

いつもより海の氷が、はやくとけだしていました。

おなじころ、
北極から3000キロメートル南にあるえんとつから、
大きな黒いけむりがもくもくとはきだされ、
熱とともに北に流れていきました。
「もしシロクマがやってきたら、すぐ海にとびこんで!
いっしょうけんめい泳いでにげるんだよ」
アゴヒゲアザラシのおかあさんは、
あかちゃんの目を見つめていいました。

海の氷は、20日もはやくとけはじめていました。
 
シロクマの親子は、
アザラシをさがして旅をしていました。
  
「北極、あたたかくなってきているみたい」
海がいっぱいこおらないと、アザラシは見つかりません。

シロクマのおかあさんは、
あまりにもおなかがすいていたので、
コケやかいそうを食べることにしました。
子どもたちのために、
少しでも多くミルクがでますように、とねがって……
 
タテゴトアザラシがいる海をめざします。
その海は、まだ氷がのこっているはず。
シロクマのおかあさんは、遠くになにかを見つけました。
氷の上に、まっ白なタテゴトアザラシのあかちゃんが
ねそべっています。

シロクマのおかあさん、うまくつかまえられるでしょうか…



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