お日さまがのぼらない、
まっくらな日が100日以上もつづいた北極の冬。
お日さまがようやく地平線から、顔をだしました。
春のおとずれを、つげています。
いつもより海の氷が、はやくとけだしていました。 |
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おなじころ、
北極から3000キロメートル南にあるえんとつから、
大きな黒いけむりがもくもくとはきだされ、
熱とともに北に流れていきました。 |
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「もしシロクマがやってきたら、すぐ海にとびこんで!
いっしょうけんめい泳いでにげるんだよ」
アゴヒゲアザラシのおかあさんは、
あかちゃんの目を見つめていいました。
海の氷は、20日もはやくとけはじめていました。 |
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シロクマの親子は、
アザラシをさがして旅をしていました。 |
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「北極、あたたかくなってきているみたい」
海がいっぱいこおらないと、アザラシは見つかりません。
シロクマのおかあさんは、
あまりにもおなかがすいていたので、
コケやかいそうを食べることにしました。
子どもたちのために、
少しでも多くミルクがでますように、とねがって……
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タテゴトアザラシがいる海をめざします。
その海は、まだ氷がのこっているはず。 |
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シロクマのおかあさんは、遠くになにかを見つけました。
氷の上に、まっ白なタテゴトアザラシのあかちゃんが
ねそべっています。
シロクマのおかあさん、うまくつかまえられるでしょうか… |
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