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ガラパゴストピックス

                              - 2012,06,27 -



 ロンサム・ジョージ 死因は老衰


昨日午前11時半、ガラパゴス国立公園管理局特別区の“独りぼっちのジョージ”の検死が検視官立会いのもと行われた。ピンタ島の最後の生き残りの亀(ピンタゾウガメ)で、日曜日の午前にサンタクルス島アジョーラ港の巨大亀飼育場センターの飼育場で死骸が発見されたこの陸上巨大亀の死因を調べている。

その亡骸は腐敗を防ぐために2℃に保たれた冷室に保管されている。


検死は野生生活専門の獣医マリリン・クルース氏、爬虫類専門の生物学者タピア・ワシントン氏、爬虫類専門の生物学者でガラパゴス国立公園管理局の科学技術指導員のジェームス・ギブス氏によって組織された科学者や技術者のチームによって行われた。

専門家達は体の寸法や長さなど調べ、綿密に調べられたが何も異常は発見されなかった。甲羅を開いた後に全ての器官を検査したものの何も異常は見付からなかった。肝臓の色合いが通常と違ってはいるが、年齢によるものと思われる。

3時間の検死で各器官や各組織を研究の分析のためにサンプルとして採取。結果、死亡原因は自然のもので、おそらくは老衰によるものであることが判明した。

ピンタ島の最後の生き残りのピンタゾウガメの死によって、ガラパゴス国立公園によって保護されている場所に生息する陸上亀の種類は10種に減った。


ファウスト・ジェレーナ(国立公園亀飼育係)

独りぼっちのジョージと共に生活をしてきたドン・ファウストはガラパゴス諸島では知らない者はいない。この種の亀が絶滅したものと思われていた頃の1971年、ピンタ島遠地への遠征でジョージ発見に参加した数少ない管理人の一人である。それ以降、ドン・ファウストは常にこの象徴的爬虫類、ジョージの生活に関わった。彼は1982年に亀の飼育係になったが、それ以上に亀達とは理屈の範囲を超えた友情で結ばれ、ジョージが独りぼっちになってしまったその日からも一度も独りになることはなかった。いつもファウストが彼と一緒にいたから。

ファウストが食料を与える時や水飲み場を掃除しようと飼育場に入るだけでおとなしい爬虫類ジョージは彼を探し、ファウストの顔の高さに出来るだけ近づけるように首を伸ばしてまるで話しかける様に口を開けていた。ファウストはジョージとずっと一緒に居てしかも彼と話すことも出来た。彼の家には彼自身が木で作ったジョージのレプリカなどたくさんのコレクションがある。ここ数日、ドン・ファウストはシャツの胸に喪章を付け、世界で最後の種となったジョージの死を悼んだ。しかし、彼にとっては“友達”だった。



年表

1971年:公園管理人や科学者による遠征でピンタ島にて独りぼっちのジョージを発見

1972年:サンタクルス島のガラパゴス国立公園事務局の飼育施設に移動

1982年:飼育施設の亀飼育係にファウスト・ジェレーナが就任

1993年:ジョージの飼育場にジョージと形態学上近い種のメスのベックゾウガメ2匹がやってくる

2008年:15年後にして初めてジョージと一緒に飼育されていたメスの亀が産卵。同年、無精卵ということが分かった

2009年:再びメスの産卵が確認されたが再度無精卵であった

2011年:遺伝子分析によってジョージの最も近い種はエスパニョーラ島の亀と分かり、爬虫類の飼育施設のメスの交換が行われる

2012年:ファウストによって長年飼育されていた象徴的な亀の亡骸が飼育施設にて発見された


ガラパゴス国立公園事務局はジョージの記念の催し物として、飼育施設での爬虫類の写真展示会を開く予定である。また、ガラパゴス国立公園事務局のフェイスブックやツイッターなどの公共ネットを通して、愛好者にジョージの写真を送ってくれるよう呼びかけた。

ジョージの亡骸は腐敗処置を行い、次の世代まで知ってもらうよう展示する予定である。


陸上亀のみの展示会は、新しく建設されジョージの名を取った研究施設にて開催される。


(C)ガラパゴス国立公園/訳:徳本有美子
 Parque Nacional Galapagos

PR.RPU.P001.R01 - 26/06/2012 - No.054
 
[06/27] 


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