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ガラパゴストピックス

                              - 2012,06,26 -



 ロンサム・ジョージを剥製に
   将来の世代のために残したい。


ガラパゴス国立公園が、6月24日、ガラパゴスゾウガメ ピンタ島亜種最後の生き残りとして保護・飼育されていた「ロンサム・ジョージ」が死んだ、と発表。発見者はジョージの世話を初めから担当していたファウスト・ジェレナだった。

獣医師や専門家たちによる、死亡原因を判別するための解剖の結果、事前に病気や衰弱の兆候はなかったことが確認された。

ガラパゴス国立公園局の局長エドウィン・ナウラは、解剖やサンプリングを終えたら、ロンサム・ジョージを剥製にし、将来の世代のため建設予定のガラパゴスゾウガメ解説センターに展示することを発表した。


ガラパゴス諸島には16世紀頃から海賊船、18世紀頃からは捕鯨船が立ち寄り、ゾウガメを数百頭単位で積み込み、食料としていた。は虫類であるゾウガメは、餌や水を与えなくても1年近く生きられたため、長い航海の貴重なタンパク源として重宝されたためである。この間、諸島から持ち出されたゾウガメは少なくとも数十万頭に及ぶとも言われる。

加えて、ジョージの故郷ピンタ島では、船員が放したヤギが野生化し、ゾウガメの食料となる植物を食べてしまったことも絶滅に拍車をかけた。比較的平坦な島であるピンタ島では、ゾウガメが捕獲されやすかったこともマイナスに作用した。

これまで、ピンタ島亜種の完全絶滅を避けるため、ジョージの子孫を残す試みがいくつも試された。1993年からは地理的、形態的に最も近いとされたイサベラ島ウォルフ火山亜種のメスガメ2頭(のちに雑種と判明)と共に飼育され、2008年にはそのメスガメが産卵(その後数回に渡り産卵するも孵化せず)、2011年には、遺伝子解析から最もジョージの亜種に近いとされたエスパニョラ島亜種にパートナーを交代し、繁殖が試みられた。

一方、独自の生態系が壊れてしまったピンタ島では、野生化ヤギの駆除が終わり、植生が回復を始めたため、ゾウガメの再導入を始めたばかりであった(「プロジェクト・ピンタ」)。これが成功すれば、ジョージを故郷に戻すことも検討される予定となっていた。


なお担当のファウスト・ジェレナは高齢であるが、この悲しみに負けることなく引き続き長年の経験を生かし、他の職員同様熱意をもって11亜種から10亜種になったガラパゴスゾウガメの保全にあたっていくとのことである。

(C)ガラパゴス国立公園/訳:ガラパゴス自然保護基金
 
[06/26] 


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