ガラパゴス国立公園事務所は、サンタクルス島プエルト・アヨラで飼育されていたロンサムジョージが、24日朝死んでいるのを確認した。ロンサムジョージはガラパゴス諸島にあるピンタ島で生息していた最後の1頭で、その由来がゆえに「孤独なジョージ」と名付けられた。死亡原因はこれから調査される予定である。
死体は腐敗を防ぐためいったん冷蔵庫に保存される予定であり、ジョージの正確な年齢は不明であるが100歳くらいだろうとずっと言われ続けてきた。
ロンサムジョージはすでに絶滅したであろうと信じられていたピンタ島で、1971年奇跡的に発見された。1972年にサンタクルス島の保護施設に移された。それ以来ガラパゴス国立公園の飼育下におかれ、繁殖プログラムが行われてきた。
外見が非常に近いイサベラ島ウォルフ火山に生息するメスのゾウガメ2頭とのお見合いが1991年から続けられてきた。2008年以来何度かそのメスたちが卵を産み2世が期待されたが、いずれも無精卵で子ガメの誕生は見られなかった。
その後、2011年1月に今までお見合いをしていたゾウガメはウォルフ火山の亜種とフロレアナ島亜種の交雑種と言うことが判明し、お見合いが解消され、遺伝子研究によってエスパニョラ島亜種がロンサムジョージの遺伝子に最も近いということが判明し、新たにエスパニュラ島の雌2頭がお見合い相手となった。
ロンサム・ジョージに代表されるガラパゴスゾウガメの亜種は全14亜種が知られ、内3種がすでに絶滅していて、今回のロンサム・ジョージの死亡によって現存するゾウガメの亜種は10種類となってしまった。残された亜種も絶滅が危惧されており、人工繁殖によっての増殖がこれからも急務とされている。