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ガラパゴストピックス

                              - 2011,01,23 -



 ◆国立公園局 ロンサム・ジョージのパートナーを変更
エスパニョーラ亜種のメスガメが運び込まれる様子



ガラパゴス諸島西部イサベラ島のウォルフ火山出身のゾウガメのメス2頭 は、1991年10月から、ピンタ島亜種最後の生き残りのオスガメ、ロンサム・ジョージの繁殖パートナーとして同じ囲いに入れられてきたが、このたび、エスパニョラ島亜種のメスガメ2頭と代わることになった。

ジョージの子孫を残すため20年前、ガラパゴス国立公園局(PNG)は、当時のハ虫類研究者の助言に従い、ウォルフ火山から2頭のメスガメ106号と107号を連れてきて、ジョージの囲いに入れた。当時はまだガラパゴスゾウガメの遺伝子研究はなされておらず、ジョージ(ピンタ島亜種)に形態的に最も近いとされたウォルフ火山亜種が選ばれた。

しかし最近、エール大学の協力によるガラパゴスゾウガメの遺伝子研究により、ウォルフ火山亜種は形態的には似ているものの、同じ檻に入れられていた106号と107号は純血ではなく交雑種であることが判明し、ジョージのパートナーとして最も適した個体ではないことが分かった。また同研究により、遺伝的にピンタ島亜種(ジョージ)と最も近縁であるのはエスパニョラ島亜種であることが分かり、より相性が良く、ピンタ島亜種のDNAを持つ子孫を残すためにより繁殖の可能性が高い同種が、パートナーとして選ばれた。

これまで20年間ジョージと檻を共にした106号と107号は、ウォルフ火山亜種とフロレアナ島亜種の交雑種(ハイブリッド)であることが分かった。フロレアナ島亜種は1世紀以上前にフロレアナ島から消えた「絶滅種」とされてきたため、106号と107号は、同様にフロレアナ島の交雑種と判明した7頭のゾウガメと共に、特別な囲いに入れられることになった。

エスパニョーラ島亜種のメスガメ2頭、7号と13号は、エスパニョーラ島ゾウガメ繁殖プログラムが始まって以来、ずっと飼育されてきた個体である。

(注1:エスパニョ-ラ島のゾウガメは、一時期14頭まで減ってしまい、1960年代から繁殖プロジェクトが行われている。現在既にジョージと共に飼育されており、この繁殖シーズンにジョージの子孫を残すことが出来るのでは、期待されている。
(注2:繁殖期は始まったばかりで、営巣期は6月後半に始まる。 ただし、檻に入れられたメスガメが、これまで同じ檻に入っていたエスパニョーラ島亜種のオスガメとの卵を産むことも考えられるため、誕生する子ガメのDNA検査も慎重に行われなければならない。
(注3:一方2011年3月現在、ロンサム・ジョージの囲いの案内板の表示は「ウォルフ火山亜種」表記のままであり、誤解しないよう注意が必要である。)

ロンサム・ジョージは、世界でたった1頭生き残った、ピンタ島亜種ガラパゴスゾウガメで、サンタ・クルス島の国立公園内(ダーウィン研究所施設内)の「ファウスト・ジェレナ繁殖/飼育センター」で飼育されている。

(C) ガラパゴス国立公園/訳:柴田一輝
Parque Nacional Galapagos

PR.RPU.P001.R01 - 20/01/2011 - No.004
 
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