国立公園局は8日間の旅程で、イサベラ島とフェルナンディーナ島の計4カ所にて、ガラパゴスペンギンとガラパゴスコバネウの部分生息調査を行った。目的はこの2種の現在の生息数把握である。(部分生息調査は毎年実施され、5年ごとまたはエル・ニーニョ現象の影響が深刻な場合に全体調査を実施する)
ガラパゴス諸島内には、生息調査のための10カ所の指定地区がある。部分生息調査は、直近10年間の平均に従って、個体数の多いとされる4地区で行われる。
*今回の調査では以下の4カ所で実施された。
①エスピノーサ岬からダグラス岬にかけて(フェルナンディーナ島)
②マングローブ岬からエスピノーサ岬にかけて(フェルナンディーナ島)
③バークレイ岬からアルベルマールレ岬にかけて(イサベラ島)
④エセックス岬からモレーノ岬にかけて(イサベラ島)
ガラパゴスペンギンとガラパゴスコバネウの集計にあたり、国立公園管理官は小舟で岸に近づき、双眼鏡で個体をチェックする。また可能であれば上陸し、記録を取る。
ガラパゴスペンギンまたはガラパゴスコバネウが確認された場所では、海水温と気温に加えて海水の透明度及び空の曇り度を知るため、決まった時間に海洋及び大気のデータが取られる。
今回の部分生息調査全体で721羽のガラパゴスペンギン、922羽のガラパゴスコバネウが確認され、ここ数年の記録母数の範囲内で生息数の維持が確認された。
また今回の活動では、63羽のガラパゴスペンギン(学名Spheniscus mendiculus)と39羽のガラパゴスコバネウ(学名Nannopterum
harrisi)の捕獲も行われ、追跡調査のため金属製リングのチップが付けられた。
両種の生息規模の調査は1961年より継続されている。飛ぶことのできない両種はガラパゴス固有種であり、主としてイサベラ島及びフェルナンディーナ島周辺に生息する。
生息数・分布域が減少しており、繁殖のために24℃以下の水温が必要なガラパゴスペンギンは被害を受けやすい種である。一方、飛行能力をなくし、かつ卵の無性率が高いガラパゴスコバネウも非常に被害を受けやすい種であると言える。