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 ■ 陸鳥 ■ 海鳥 ■ 沿岸鳥

 ガラパゴスの陸鳥は海鳥に比べ、進化の度合いが高いようだ。
 ほとんどが、世界でもガラパゴスにしかいない種類ばかりである。どれも南米大陸に起源をもっているが、南米の種類とは著しく異なる。
 特に、ダーウィンフィンチとマネシツグミが象徴的であり、島々での異なる環境に見事に適応放散している。


飛びながらの求愛行動が知られている

ウミイグアナとのツーショット

 ガラパゴスノスリ

 Galapagos Hawk (英名)
 
Buteo galapagoensis (学名)


 
ガラパゴスでしか見られないノスリで、人間を恐れない。しかし、ガラパゴスに人が移り住むようになってからは、家畜を襲う害鳥とみなされ大量に殺された歴史がある。

 ノスリはグループを作って行動し、狩りも共同で行うことが多い。ヨウガントカゲ、イグアナ、ネズミ、昆虫などをエサとするが、腐肉処理屋でもあり、アシカ、オットセイ、イグアナの死肉を食べる。今では、ヤギの肉が大好物のようである。

 樹上に小枝を集めた比較的大きな巣を作り、毎年新たな枝を足しては、同じ巣を使っている。一妻多夫制で、1羽のメスに最大で4羽のオスがつがい、抱卵や子育てを複数のオスが助け合って行う。

 全長: 50〜55cm
(メスのほうが大きい)
 翼開長: 130〜135cm
 体重: 不明

若鳥の羽は薄茶色、成鳥は黒に近い
こげ茶色に変わる

常に鳴き声を交し合って、グループ内で
連絡を取り合う
ガラパゴスノスリ棲息マップ


 ガラパゴスコミミズク

 Galapagos Short-eared Owl (英名)
 Asio flammeus galapagoensis
  (学名)



 ウォルフ島以外のほとんどの島で繁殖が見られる。だが、ダーウィン島、ラビダ島、フェルナンディナ島での棲息数状況はよく分かっていない。

 エサは主に小鳥やネズミ、昆虫である。また渡り鳥のハワイシロハラミズナギドリの巣立ったばかりの幼鳥などが好物でもある。

 11〜5月にかけて繁殖する。地表または、地表近くの幹の間に直接3〜5個の卵を産む。ヒナとして育つのは、よくて2羽。

 全長: 34〜42cm
 翼開長: 90〜105cm
 棲息数: 不明

人間にあまり関心を示さない



普段おとなしい習性も、繁殖期に入ると警戒しだす

 アオメバト
  別名 ガラパゴスバト

 Galapagos Dove (英名)
Zenaida galapagoensis
 (学名)


 人を恐れない無邪気なハトで、17世紀の海賊の日記によると、船乗りたちにとってはご馳走だったようだ。また、マリンブルーのアイリングが美しい。

 今世紀に入ってからも、食用として乱獲され続けた。しかし現在では、人間以上にアオメバトの生存を脅かしている動物がいる。アオメバトの巣は地上に作られるため、人間が持ち込んだネコによって相当の被害を受けている。

 エサの植物や昆虫が豊富になる夏の雨季が、繁殖期にあたる。2個の卵を産みヒナがかえると親鳥は警戒心を増し、もし巣に近づくものがあれば、片方の翼が折れた仕草をして、侵入者の注意を巣から遠ざける行動をとる。

 全長: 27〜33cm
 翼開長: 50〜56cm
 棲息数: 不明
アオメバト棲息マップ

人間によって食用に大量に殺された歴史がある


 ガラパゴスマネシツグミ

 Galapagos Mockingbird (英名)    Nesomimus parvulus parvulus
 (学名)



 諸島全体で4種が知られていて、その内の1種はさらに7種に分類されている。

 この種は動物を捕食する傾向が特に強い。ヨウガントカゲ・動物の死肉・海鳥やイグアナの卵・昆虫などをエサとする。

 
また、動物の傷口から血をついばみ、さらに傷をつついて組織の一部を引き裂くようなこともする。血だけでなく、液体にも非常に興味を持つ。

 全長: 28〜32cm
 翼開長: 36〜38cm
 棲息数: 5,000以上


大陸の種と比べて、くちばしと尾羽が
長く、体も一回り大きい
人を全く怖がらない

サンタフェリクイグアナに寄生する虫をとる


好奇心旺盛なメス

 ガラパゴスベニタイランチョウ

 Galapagos Vermilion Flycatcher (英名)
 Pyrocephalus rubinus nanus
  (学名)



 この種も人間を怖がらず、特にメスの好奇心は旺盛である。オスは非常に目立つ体色をしている。メスは腹部は明るい黄色で、薄茶色の背中を持っている。

 オスのメスへの求愛の儀式は、縄張り上空で派手な飛行をすることで表現される。巣は苔やランを材料とし、樹上の頂上部に作られる。繁殖期は、エサとなる昆虫が豊富な雨の多い暖かな時期である。


 全長: 13cm
 翼開長: 22cm
 棲息数: 不明

朱色がひときは目立つオス


 ガラパゴスキイロアメリカムシクイ

 Galapagos Yellow Warbler (英名)
 Dendroica petechia aureola (学名)


 全身がパステル調の鮮やかな黄色で、諸島で最も目立つ鳥である。近縁種は北米のカナダやアラスカから南米のペルーまで、広く分布している。

 海岸から山の頂上まで、どこにでも現れ、大好物の昆虫をいつも慌ただしく探し回っている。

 オスのほうがメスよりも、いくらか明るい色合いをしている。夏の繁殖期に入ると、樹上の枝にからませて巣作りをする。巣の材料には植物性のものを好み、主に苔や地衣類を使う。

 全長: 10〜15cm
 翼開長: 20〜22cm
 棲息数: 多数

黄色い羽がひときわ目立つ


木の実をついばむ
ハシブトダーウィンフィンチ

Vegetarian (Tree) Finch (英名)
Platyspiza crassirostris
(学名)

ホバリングしている
コダーダーウィンフィンチ

Small (Insectivorous) Tree Finch (英名)
Camarthynchus parvulus (学名)

 ダーウィンフィンチ

 Darwin's Finches (英名)
 Geospiza sp., Playspia sp.,
Camarhynchus spp., Certhidea sp.    Cactospiza spp, (学名)

 上記の全ての属に含まれる種をダーウィン
フィンチと呼ぶ



 分類学的にはホオジロ科の鳥で、諸島のほとんど全部の島に棲む。13種に分類され、全ての種類を総称してダーウィンフィンチと呼ばれている。

 大多数のダーウィンフィンチのオスは、成鳥になるまでに真っ黒に変身する。メスもかなり地味な色をしているが、オスとは違う。褐色の縞模様で、ほとんどスズメに見間違えてしまいそうである。

 くちばしはフィンチを分類する上で、最も大事な特徴とされている。くちばしの色は当てにならないが、形の多様性は、食物の多様性からきていると考えられている。祖先がさまざまな食物に適応し、分化を押し進め、進化していったのだ。

 フィンチの繁殖行動は、雨季に入り最初のまとまった雨が降った頃に始まる。オスが戦いや「さえずり行動」で縄張りを確保し、巣作りをする。その後メスを求めて、求愛行動を繰り広げる。メスは2〜5個の卵を産む。

 全長: 13〜16cm
 翼開長: 21〜23cm
 棲息数: 不明

木の実を食べている
ガラパゴスフィンチのメス

Small Ground Finch (英名)
Geospiza fortis
(学名)

ガラパゴスフィンチ

巣のサイズは種の違いによって、
さまざまだ

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