〜海が枯れていく〜


視線が合いフンボルトペンギンは一瞬、はにかんだ。
このペンギンが暮らす海域は、・・・・・・


都市化の波が押し寄せている。
フンボルトペンギンが暮らす島は
コンクリートで陸続きにされてしまった

「エル・ウルティモ・リンコン・デル・ムンド」。
舌を噛みそうな、まるで呪文のような、・・・・・・の別名。
「世界の果て」を意味している。
ここはかつて、遠くの荒れ果てた価値のない土地だとみなされていた。
北部に広がる砂漠は、世界で最も乾燥した地域といわれている。
1971年まで400年の間、ここではなんと一滴の雨も降らなかった。
ここでも人間はたくましく暮らしていた。
国から飲み水の補給を定期的に受けながらも生活しているのだ。
作物はほとんど育たない。
したがって、生計は海に頼ることになる。
海で人間と魚のとりあいをしているのが実は、フンボルトペンギン。
体長70センチほどで、マゼランペンギンにとてもよく似ている。
フンボルトペンギンの胸の黒い帯は、わずかに1本。
くちばしがマゼランより太くて長い。
フンボルトペンギンは、おそらく世界中の動物園や水族館で最も普通に飼育されているペンギンである。
ところが野生では今、絶滅の危機にある。
以前は・・・・・・大陸沿岸で繁殖していたが、今は皆無である。
わずかに沿岸の島々で繁殖しているにすぎない。人間による・・・・・・ペンギンを大陸から駆逐してしまった。
さらに追い討ちをかけるように、残された島のペンギンたちも数を減らし始めているという。


・・・・・・の漁業は日本などから導入した漁法で、急速に発展してきた。
しかし、乱獲を招き、魚を追いかけていたペンギンなども網や針にかけて殺してしまう。


・・・・・・から日本の食卓に送られてくる貴重な魚介類。
その陰で、おびただしい数のペンギンが死んでる。



藤原幸一

漁業は貴重な輸出産業。
漁法の改良により、漁獲高は飛躍的に伸びた。
だが、網や針にかかって死んでいく
ペンギンなども膨大な数に及んでいる



「日本で売れるぞ」との情報は
沿岸に貝採取ブームを巻き起こした。
しかし、規制を無視した乱獲がたたり、
今では貝も激減してしまった




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