〜イルカと過ごす時。〜



講習を受けてダイビングのライセンスを取得すると、
水中でのイルカとの遭遇が楽しめる。
手信号を送ると、イルカは一目散に寄ってきてスキンシップを始める





グランド・バハマ島のハーバーはイルカとの
触れ合いをオーガナイズするUNEXSO
(Under Water Explorers Society)協会の最前線だ

イルカと人間の触れ合いの場があると聞いて、僕はバハマ諸島を訪ねた。
バハマはアメリカ合衆国東南部、フロリダ半島の東沖、100キロから700キロの海上に散らばる1000以上もの島々からなる。
バハマ諸島を最初に発見した西洋人はコロンブスであった。
コロンブスの発見以降、バハマ諸島は、大航海時代のなかで諸外国の搾取と利権にもてあそばれることになる。
16世紀にはいり、アフリカからたくさんの奴隷が送り込まれ、現在のバハマ人の起源となった。


ここ数年、アメリカの精神学者や、複数の病院もしくは研究機関が、バハマに注目している。
グランド・バハマ島には保護された野生のイルカがおり、人とのふれあいによって、イルカの持っている潜在能力を精神治療の一環として用いようというのである。
すでに数多くの治療成功例が発表されており、イルカは悩める人々の希望の星になりつつあるようだ。
もちろん、脳に障害を持つ人や癌やエイズ患者に奇跡が起こって、完全に治ってしまうことは今のところない。
しかし、確実に延命効果がでている。
イルカ治療の奇跡は、かたくなに暗く閉じている人の心の扉を、開くことにあるようだ。
実際、水中でのぼくとイルカのふれあいは、童心に返ったような驚きと感動に満ち溢れていた。


4日間ほど外海で、イルカと過ごす時間をつくってみた。

イルカは実に繊細な生き物であった。
口先や背ビレや尾ビレのようなごつごつした突起で、決してイルカは人間に危害を加えることはない。
いつもは、時速40キロ以上ものスピードで大海原を泳ぎ回っているイルカでも、いざ人間に近づく時になると繊細すぎるほどの気遣いをみせる。
ぼくは、ご褒美に魚をイルカにあげた。
もし間違って口の中に手が入ってしまっても、イルカは決して噛んだりせず、むしろ魚を戻してきたりもする。
水中マスクにスノーケルをくわえ、ぼくは水中に入った。
すぐさま、2頭のイルカが近づいてきて胸ビレや背ビレをこちらにすり寄せてきた。
ぼくにひれをつかめとサインを送っているのだ。
イルカの流儀にしたがって、挨拶をかわすことにした。


イルカを長い時間観察してきた人によると、精神や体に障害がある人を、イルカは誰からも教えられることもなく、自分で見分けることができるという。
健常者を扱う時とは、明らかに違ったより繊細な動きで接していることがつきとめられた。


生命の誕生と進化の源である海。
バハマの海での野生とのふれあい。
心安らぐ、ひとつの理想郷がそこにあった。



泳げない人でもイルカと触れ合うことができる。
浅瀬のプラットホームに現れたのは、赤ちゃんイルカ。
決して人を恐れない

「私のひれに掴まりなさい」とばかりに、
体をすり寄せてくるイルカたち。
外海の浅瀬で繰り広げられる
彼らとのコミュニケーションは、
多くの可能性に満ちている



「サンキュー」と呼びかけながら、
大好物のいわしを与える。
海の仲間への親愛と感謝を込めて



イルカが空に飛んだ!タイセイヨウ・バンドウイルカは
波乗りやジャンプが得意。まるで野生のエンターテーナーだ


ミュージアムショップへ。  
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